パスワードはもう不要?パスキー・FIDO2の仕組みとメリット・デメリットを徹底解説

「パスワードをいくつも覚えるのが限界…」「パスキーって最近よく聞くけど、どうやって使うの?」
こんな悩みを抱えていませんか?
この記事では、IT初心者の方でも理解できるように、パスキーとFIDO2の仕組みや違いを、身近な例えを交えて分かりやすく解説します。
この記事を読めば、なぜパスキーが安全なのか、そしてどのように導入すれば良いのかがスッキリと分かります。

目次

まずは結論から

  • パスキーとは、パスワードの代わりに指紋や顔認証などでログインできる「認証情報」のことです。
  • FIDO2(ファイドツー)とは、パスキーなどの安全な認証を支える「技術のルール(標準規格)」のことです。
  • パスキーは「ユーザーが使うもの」、FIDO2は「裏側で支える仕組み」という違いがあります。
  • パスワードを使わないため、フィッシング詐欺に非常に強く、安全性が高いのが特徴です。

それでは、それぞれの詳しい内容について順番に見ていきましょう。

パスキーとは

パスキーとは、簡単に言うと「パスワードを入力しなくても、安全にログインできる仕組み」のことです。
スマートフォンやパソコンに備わっている指紋認証、顔認証、あるいはPINコード(暗証番号)を使って、本人確認を行います。

従来のパスワード認証では、サービスごとに異なる複雑な文字列を覚えておく必要がありました。
しかし、パスキーを使えば、普段スマートフォンをロック解除するのと同じ感覚で、Webサービスやアプリにログインできるようになります。

「パスワードを忘れてログインできない」「何度も入力してアカウントがロックされてしまった」といったイライラから解放されるのが、パスキーの大きな魅力です。

FIDO2とは

FIDO2(ファイドツー)とは、パスワードに依存しない安全な認証を実現するための「国際的な技術標準(ルール)」のことです。
Google、Apple、Microsoftなど、世界中の名だたるIT企業が参加する「FIDOアライアンス」という団体によって策定されました。

FIDO2は、主に「WebAuthn(ウェブオースン)」と「CTAP(シータップ)」という2つの技術から成り立っています。
WebAuthnは、Webブラウザと認証デバイス(スマホなど)の間で安全にやり取りするための仕組みです。
一方のCTAPは、パソコンとスマートフォンなどの異なるデバイス間で、認証情報を安全にやり取りするための仕組みです。

つまり、FIDO2という共通のルールがあるおかげで、私たちは様々なデバイスやブラウザで、パスワードレス認証をスムーズに利用できるのです。

パスキーとFIDO2の違い

パスキーとFIDO2は、どちらも「パスワードレス認証」に関する言葉なので、混同されがちです。
しかし、この2つには明確な役割の違いがあります。

結論から言うと、パスキーは「ユーザーが使うもの」であり、FIDO2は「それを支える技術標準」です。
例えば、クレジットカード決済に例えてみましょう。

パスキーは、私たちがお店で実際に使う「クレジットカードそのもの」のようなイメージです。
一方のFIDO2は、クレジットカード決済を安全に行うための「決済システムの裏側のルールや仕組み」のようなイメージです。

企業が新しい認証システムを導入する際、「パスキー対応」とあればユーザー目線の利便性をアピールしており、「FIDO2対応」とあれば技術的な安全基準を満たしていることを意味しています。

パスキーの仕組み

では、パスキーはなぜパスワードを使わずに安全な認証ができるのでしょうか。
その秘密は、「公開鍵暗号方式(こうかいかぎあんごうほうしき)」という技術にあります。

パスキーを登録すると、デバイス(スマホなど)の中で「秘密鍵」と「公開鍵」という2つの鍵のペアが作られます。
「秘密鍵」は、あなたのデバイスの中に厳重に保管され、絶対に外には出ません。
一方の「公開鍵」は、利用するWebサービス側のサーバーに登録されます。

ログインする時の流れは、以下のようになります。

パスキー認証の流れ:指紋認証からログイン完了までのステップ図解

  1. Webサービスからあなたのデバイスに「チャレンジ(暗号のクイズ)」が送られてきます。
  2. あなたは指紋や顔認証でデバイスのロックを解除し、「秘密鍵」を使ってそのクイズの答え(署名)を作ります。
  3. 答えをWebサービスに送り返します。
  4. Webサービスは、事前に登録しておいた「公開鍵」を使って答え合わせをし、正解ならログインを許可します。

これは、「自分しか持っていない実印(秘密鍵)」と、「誰でも確認できる印鑑証明書(公開鍵)」を使ったやり取りのようなイメージです。
Webサービス側にはパスワードが保存されていないため、万が一サーバーが攻撃されても、パスワードが漏えいする心配がありません。

パスキーを導入するメリット

パスキーを導入することで、ユーザーと企業の双方に大きなメリットがあります。
主なメリットを3つご紹介します。

フィッシング詐欺に強い

パスキーの最大のメリットは、フィッシング詐欺に非常に強いことです。
パスキーは、登録したWebサービスのドメイン(URL)と強力に紐付いています。
そのため、本物そっくりに作られた偽サイトに誘導されても、パスキーは反応しません。
パスワードのように「うっかり入力して盗まれてしまう」というリスクを、構造的に防ぐことができます。

パスワード管理の手間がなくなる

複雑なパスワードをいくつも覚えたり、定期的に変更したりする手間から解放されます。
パスワードの使い回しによる「リスト型攻撃(他のサイトで漏れたパスワードを使った不正アクセス)」の被害も防ぐことができます。

ログインが快適になる

長いパスワードを手入力する代わりに、指紋や顔認証などで一瞬でログインが完了します。
特にスマートフォンでの操作が劇的にスムーズになり、ユーザーの利便性が大きく向上します。

パスキーを導入するデメリット・注意点

非常に便利で安全なパスキーですが、導入にあたって注意すべき点もあります。

デバイスを紛失すると認証できなくなる

パスキーの「秘密鍵」はデバイスに保存されているため、スマートフォンなどを紛失・故障すると、ログインできなくなる恐れがあります。
そのため、Appleの「iCloudキーチェーン」やGoogleの「パスワードマネージャー」などを利用して、パスキーをクラウドにバックアップ(同期)しておくことが重要です。
また、複数のデバイスにパスキーを登録しておくのも有効な対策です。

対応していないサービスがまだ多い

GoogleやApple、Amazonなどの大手サービスはパスキーに対応していますが、まだすべてのWebサービスで使えるわけではありません。
パスキーに対応していないサービスでは、引き続き従来のパスワードやパスワードマネージャーを併用する必要があります。

まとめ

この記事では、パスキーとFIDO2の違いや仕組みについて解説しました。
重要なポイントをまとめます。

  • パスキーはパスワードに代わる安全な認証情報、FIDO2はそれを支える技術標準。
  • 公開鍵と秘密鍵を使った仕組みで、パスワード漏えいのリスクがない。
  • 偽サイトでは反応しないため、フィッシング詐欺に非常に強い。
  • デバイス紛失に備えて、クラウドへのバックアップ設定をしておくことが重要。

パスキーは、これからのデジタル社会における安全なログインの「鍵」となります。
まずは、GoogleアカウントやAmazonなど、よく使うサービスからパスキーの設定を始めて、その便利さと安全性を体感してみてください。

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