プロキシサーバーとは?【ネットの裏側】通信を中継する「代理人」の仕組みをわかりやすく解説

「社内や学校のネットワークだと、なぜか見られないサイトがある…」 「家のWi-Fiと通信速度が違う気がする」 そんな風に感じた経験はありませんか。 実はその背景には、「プロキシサーバー」という仕組みが関係していることが多いのです。

目次

プロキシとはあなたの代わりに通信する「代理人」

プロキシ(Proxy)とは、英語で「代理」を意味する言葉です。
その名の通り、プロキシサーバーは、私たちがインターネットを利用する際に、パソコンやスマートフォンの代わりにWebサイトとの通信を行ってくれる「代理人」のような存在です。

通常、私たちがWebサイトを見るときは、自分の端末から直接目的のサイトへアクセスします。
しかし、プロキシサーバーを経由する場合、一度プロキシサーバーにリクエストを送り、そのプロキシサーバーが私たちの代わりに目的のサイトへアクセスし、取得した情報を私たちの端末に返してくれます。
このワンクッションが、セキュリティの向上や通信の効率化に繋がるのです。

プロキシの仕組みを覗いてみよう

プロキシサーバーがどのように通信を中継しているのか、簡単な流れを見てみましょう。 まるで海外旅行の際に、通訳を介してコミュニケーションをとるようなイメージです。

あなたの端末        プロキシサーバー        Webサイト
 (あなた)           (通訳)           (相手)

  │ 1. このサイトが見たい! │
  ├───────────────────────→ │
  │              │ 2. かしこまりました。代わりに見てきます
  │              ├────────────────→│
  │              │              │ 3. はい、どうぞ
  │              │←────────────────┤
  │ 4. 見てきた内容はこちらです │
  │←────────────────────────┤  
  │              │

このように、プロキシサーバーが間に入ることで、私たちはWebサイトと直接やり取りすることなく、情報を得ることができるのです。

通信の宛先を決めるIPアドレスとポート番号

プロキシを理解する上で欠かせないのが、「IPアドレス」と「ポート番号」です。
これらはインターネット上の住所のようなもので、通信相手を特定するために使われます。

•IPアドレス インターネットに接続された機器一台一台に割り当てられる、ユニークな番号です。
「東京都千代田区千代田1-1」のような、世界に一つだけの「住所」だと考えてください。
プロキシサーバーを経由すると、Webサイト側にはあなたの端末のIPアドレスではなく、プロキシサーバーのIPアドレスが伝わります。
これにより、あなたの本当の「住所」を隠すことができるのです。

•ポート番号 IPアドレスが建物の住所だとすれば、ポート番号は「どの窓口(サービス)宛か」を示す部屋番号のようなものです。
例えば、Webサイトの閲覧(HTTP通信)は通常80番ポート、暗号化されたWebサイトの閲覧(HTTPS通信)は443番ポートというように、サービスごとに利用するポートが決まっています。
プロキシサーバー自体も特定のポート番号(例えば8080番など)で通信を待ち受けており、私たちはそこにアクセスすることでプロキシの機能を利用します。

プロキシの主な種類

プロキシサーバーは、その役割や設置場所によっていくつかの種類に分けられます。
ここでは代表的な二つの種類を紹介します。

種類誰の代理をするか主な目的
フォワードプロキシ利用者(あなた)内部ネットワークのセキュリティ強化、アクセス制御会社や学校のネットワーク
リバースプロキシWebサーバーサーバーの負荷分散、セキュリティ対策大規模なWebサービス

私たちが「プロキシ」と聞いてイメージするのは、主に「フォワードプロキシ」の方です。
会社や学校のネットワークからインターネットにアクセスする際に、私たちの代理として通信を行ってくれます。

なぜ会社や学校はプロキシを使うの?管理者側の視点

では、なぜ多くの組織でプロキシサーバーが導入されているのでしょうか。
管理者側の視点から、その主な意図を見ていきましょう。

セキュリティを強化する

プロキシサーバーは、内部のネットワークと外部のインターネットの間に壁として立ち、不正なアクセスやサイバー攻撃から組織を守ります。
全ての通信を監視し、ウイルスが仕込まれたファイルのダウンロードを防いだり、危険なサイトへのアクセスをブロックしたりすることができます。

不適切なサイトへのアクセスを制限する

業務や学習に関係のないサイト(SNS、動画サイトなど)へのアクセスを制限することができます。
これにより、従業員や学生が本来の業務や学習に集中できる環境を維持し、組織全体の生産性を高める狙いがあります。
これを「コンテンツフィルタリング」と呼びます。

通信を効率化し、表示を速くする

プロキシサーバーには「キャッシュ」という機能があります。
これは、一度アクセスしたWebサイトのデータを一時的に保存しておく仕組みです。
次に同じサイトにアクセスがあった場合、インターネットまでデータを取りに行かず、保存しておいたキャッシュを返すことで、表示速度を向上させ、ネットワークの負荷を軽減します。

管理者ができるプロキシの具体的な設定

管理者は、プロキシサーバーに様々な設定を施すことで、組織のルールに合わせたネットワーク環境を構築します。

設定項目説明
アクセス制御リスト(ACL)どの利用者(IPアドレス)にプロキシの使用を許可するかを定義します。
URLフィルタリングアクセスを許可するサイト、またはブロックするサイトのリストを作成し、閲覧を制御します。
認証ユーザー名とパスワードを要求し、許可された利用者のみがインターネットにアクセスできるようにします。
キャッシュ設定どのくらいの期間、どのくらいの容量のデータを保存しておくかを設定し、通信効率を最適化します。
ログ管理「誰が」「いつ」「どのサイトに」アクセスしたかの記録を保存します。問題が発生した際の原因調査に役立ちます。

これらの設定を組み合わせることで、管理者はセキュリティと利便性のバランスを取りながら、安全で快適なネットワーク環境を提供しているのです。

まとめ

今回は、インターネットの通信を裏側で支えるプロキシサーバーについて解説しました。

•プロキシは、私たちの代わりにインターネット通信を行う「代理人」です。

•IPアドレスやポート番号という情報を使って、通信を正しく中継しています。

•会社や学校では、セキュリティ強化やアクセス制御のために導入されています。

•管理者による様々な設定によって、安全で効率的な通信が実現されています。

普段意識することの少ないプロキシサーバーですが、その仕組みを知ることで、より安全に、そして賢くインターネットと付き合っていくことができるでしょう。

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